寒い日

雨降りを知らぬあなたのあどけなさ 守り抜けると信じた過日

心ない言葉には耳を貸さないでどうぞ私の歌に浸って

街路樹が見届ける秋 美しさは寒さのことと知っていたのか

青になり誰も渡らぬ交差点 もう歩けない 歩きたくない

救急車のサイレンにすら怯えてはやがてくる日を待ちわびている

穿たれた紅茶のシミに気を取られ君が泣くのに気づかなかった

「誰も皆」から外れた外された いっそこのまま祝福しよう

とんがらし 初恋の味 とんがらし 誰だカルピスなんて言ったの

身にしみる君の言葉とすきま風 つらくなるのは寒さのせいだ

冷えた手を温めるため息を吐く それがあなたに届けばいいな