のど飴の優しさを知る晩秋にほんのりと死に近づいてみる
思い出よ 積もれ積もれよ落ち葉より軽いからなお悲しさも増す
嘘つきも人が恋しくなるらしくぬくもりのためまた嘘をつく
雨やどりしていいですか今日きっとあなたのために私泣くから
せせらぎを眼下に走る箱根路の渋滞すらももはや嬉しい
風船を手放した日に少年が耳にしたのは「じゃあねバイバイ」
夕映えにインスタ映えを重ねたと隣で咳をする人に告ぐ
誰かさんが見つけた秋も深まって行方不明になってしまった
セアカゴケグモやヒアリもこの国の冬に馴染んでイルミネーション
数知れぬほどの命を食んでなお生きる意味なら鈴虫にきけ