優しさ

優しさは真綿となってその首に巻きつくために存在してる

忘却はなだらかな線を描いてやがてあなたの鎖骨に刺さる

愛してる愛してたまだ愛してる 振り子の等時性を疑う

曇天でよかった私もう少し誰も呪わず生きてゆけそう

錠剤の半分がもし優しさであるならあなたの喉に焼きつくはずだ

「WC」これなんですがトイレではなくてワールドカップなんです

優しさと牙を抜かれただけのこと違いのわかる者はおらぬか

亡霊が出番を待ってる夏がくる あたしそろそろそっちいくから

記録より記憶に残るなんて嘘 マザーボードはすべて知ってる

誰がため優しくあるのもしかして月に向かってにゃんと鳴くため