梅雨

情報のソースを出せと責められてあなたを好きな理由が滲む

傘の花咲く街を行くふたりきり こうも雨では影も伸ばせぬ

特急の窓に打つ雨の滴がそれでいいよと囁いている

雨の夜に巣食った油断をこれから恋と呼ぼうか馬鹿と呼ぼうか

手放した思い出たちが暴れてももう大丈夫君がいるから

願い事の数だけ息がしづらいと知ったときから強くなれたよ

雨音がワルツになれば二人して悪という字を好きになってく

閉じこめた我慢が殻を破り捨て顔を出したら愛でてあげよう

恋ばかりしていたとしても本当の愛の前ではすべてまぼろし

愛しあうあるいはともに許しあう お互いさまで地球は回る