偉い人なんていないよ 偉そうな人なら街に溢れてるけど

黒猫で親指ぎゅっと隠したらぽつぽつ漏れる死にたい理由

終電を逃した猫の迷い子は夜が明けるまで罪を匿う

シグナルが点灯しても気づかずに踊り続ける人のプライド

私よりスマホ画面に夢中だね 私は君よりじゃらしに夢中

突きつけたはずの刃が裏切って禁じ手として愛に化けてく

恋心なんてかわいいもんじゃない できることなら同時に逝くわ

行き過ぎる人々のなか立ち止まる猫がいちばん道を知ってる

監視者が監視されてる世の中でメビウスの輪を噛み切る仔猫

人間は意地やら見栄を張り続け結局猫に嗤われている