妖精

番号の中に私の誕生日が隠れてるからスマホごと好き 

「嫌いだ」と口に出せれば大丈夫 その素直さで生きのびてゆけ 

石ころは磨けば光るわけじゃない 輝きなんてただの傷あと 

行列のできる店です みんなして腹を空かせて羊を屠る 

もう名前が変わったらしい母校から物故者として封書が届く 

負いたての傷がこちらをにらみつけ俺のせいにはしてくれるなと 

ブルドッグ ソースだったら見たことがありますあれは渋い妖精 

正確さはもはやAIの勝ちだからそのくだらなさを笑い飛ばす 

駆け込んで乗った列車の行き先が天国だった よくある話 

グッドバイ二回唱えてさよならは今強烈なハローに化ける