第六話 心臓の形(六)可哀想

青年は美奈子のほうを一切見ることなく、ひたすら鏡の破片を集め続けている。その姿は月夜の浜辺で貝殻を集める寡黙な詩人のようだ。 美奈子が扉のそばで立ちつくしていると、青年は相変わらずうつむきがちに、こちらに話しかけてきた。 … 続きを読む 第六話 心臓の形(六)可哀想