第十三章 決意

とても静かな時間。
沈黙以外は許されない空間。
篠畑は見るものを凍りつかせるように冷たい笑みを浮かべながら、右手でメスを握り、左手で、約束を果たすために、その宝物に触れる。
死せるその乙女の名は、若宮郁子。
約束は継がれる。
くだらない都市伝説を生み出すためだけに。
彼もまた、自分がそこにいた証を残さんがために、愛しいものに刃を向けるのだ。
そうして人は繋がっていく。
でもなぜ、何のために。

最終章 誕生