ギフト

あたかもそれが正当であったかのように貴方は傷だらけで笑う。トレモロを弾く指先に噛みつきたい私の破瓜、それを浅ましいと言い捨てたのと同じ目で。

あたかもそれが正答であるかのように貴方はかさぶたを磨く。いつ剥がれてもいいようになんて嘘だよね、それを見抜いた私を責めろよ、気の済むまで。

いつまでたっても既読にならないメッセージに意味はある? 踊れば踊っただけ報われるなんて誰が決めたんだろう。踊らされてるのはわかってて、引き金に手をかけたんだから、ロマンチックだね。

赤い犬の散歩に出かけよう。また一人ポツンと灯りの消えた。正しさはどこにも落ちていない。強いて言うなら生きのびることは常に本能に従順だろう。

あたかもそれが正統であったが如く、貴方は奇妙な順序で夕餉の支度をしている。正しさのせいではじき出された、鈍色のため息を背後に従えながらね。

もう十分だ!

ちらほらと生きている人が見える。それは間違いなくランパトカナルのふりをした光なので、大切にしましょう、とポスターに注意書きされているのだ。

赤い犬の散歩に出かけよう。誰も何も肯定できない季節に、落ち葉のくしゃりと泣いている。嬉し涙を流したのはいつだったか、もう覚えていないけど。

忘れたら忘れたで、幸せにはなれるみたいだね。貴方は私を忘れたけれど、相も変わらず傷をこねくり回して遊んでいる。それ、動画に上げていいかな?

あたかもそれが正等であるかのように、貴方は、貴方であることを諦めた。心地よい放心はいびつなギフトにぴったり。クリスマスになれば、わかるよ。