ちょっと悟りでも開いとく?

こんにちは、笹塚です。先週末は実父の体調が悪いとの連絡を受け、弾丸で土日実家に帰っていました。すでに何度かnoteでも書いていますが、父は数年前からパーキンソン病を発症しています。それでもまだ「父の頭の中にしか存在していないという謎の設計図(?、娘は文系だから全然わからないのよ)」がアウトプットしきれていないために、週に数回、嘱託職員として都心まで通勤しているので、そんなには心配していなかったのですが。

でも、よく考えなくなって父はもう還暦もとうに過ぎていて、老いて体力的に衰えていくのは自然なことですよね。難病を得たところではありますが、これまで白血病だのがんだのをことごとく見事にクリアしてきた実績の持ち主なので、「なんかもういつもどこかしら病気なんだけど、この年齢まで頑張ってきたし。ていうか今も朝の山手線に揺られて必死につり革につかまって通勤しているとか現在進行形で頑張ってんだぜ」な父を、娘はかなりの勢いでリスペクトしています。先日、優先席ではない場所で立って満員電車に乗車していたところ、若い女性に「どうぞ」と譲ってもらえてちょっと嬉しかったんだよね~、とホクホク話すあたりは永遠に青年かよ。

病院とのやりとりやら必要な情報の提供やら社会資源の洗い出しやら役所の申請書類の整理やら、あれこれに追われていたため、「体調を崩した父を心配して少し久々に実家に戻った」割には思ったよりもしんみりできませんでした。忙しいというのはこういう時に、もしかしたらありがたいことなのかもしれない。

で、私がばたばたと作業をしていると、その手際(というほど熟達はしていないけど、素人から見たら「それなり」に映ったらしい)を見ていた母が、

「いやー、娘がソーシャルワーカーっていいもんだね。便利~!」

うおおおぉぉぉい!! 正直かよ!!!

しかしそこで父がすかさず、

「心琴、あの頃(病院をクビになって引きこもりがちな生活に逆戻りした頃ね)、とても頑張って勉強してたもんなぁ。それがちゃんとこうやって活きるんだから、よかったよなぁ」

とフォローしてくれたので、私は「べ、別に今日のために国家資格取ったわけじゃないんだからね!」と若干流行に乗り遅れたツンデレっぽさを醸しつつ、嬉しいんだか照れくさいんだかよくわからない複雑な気持ちで作業を続けました。

無事にもろもろを片付けたら、夕飯には私の好物である「揚げだし豆腐」と「たけのこの炊き込みご飯」が出てきました。それは素直にとても嬉しかったです。3人で囲む食卓。でも、なんだかちょっと物足りない。そうだ、そういや心琴のトイメンはT(私の弟)の席だったよね。あいつって食が細い上に好き嫌いが激しかったから、いつもご飯残しては心琴がつまんでたよねぇ……。うん、懐かしいよねぇ……。

いやいやいや、弟さん全然生きてますけど!!(たぶん←ひどい)

夕飯の後はおしゃべりしつつ、すっかり忘れていたいろいろなことを思い出しました。我が家は親子そろってスポーツ観戦が大好きなのですが、この日は現在開催されているサッカーのコパ・アメリカの話題になりました。とりあえず試合が始まったら何をしていてもどうせ集中できないので観戦に集中するという姿勢は母子で一致したのですが、その中で、とても懐かしいエピソードが思い出されました。

どれくらい前のサッカーW杯だったか忘れましたが、W杯出場をかけた代表の試合が夜の8時くらいから生中継だった日がありました。その時期に定期テストを控えていた私が、自室で「さて勉強でもしますかねー」とテキストを開いて、たぶん30秒も経たないうちの出来事です。ノックはもちろんなし! 母が鬼のような形相で部屋へやってきて、こうのたまいました。

「あんた、何やってんの!」

「え、テスト勉強……」

「それどころじゃないでしょ! 試合始まっちゃうじゃない!」

「テスト勉強……」

「そんなに勉強したけりゃ、テレビ観ながらすればいいじゃないの!」

「あ、うう、おう……」

というね。

今思い返しても、なかなかの教育方針だよね!

でも、「『ながら勉強』は実はとてもいいらしい」という研究結果? をその後に母がどこからか仕入れてきて、「私はこれを実践したんだ」と言い張るので「それは後づけじゃないか」と詰問したら「当たり前じゃないの」と潔く認めるあたりがもう、ほんとかっこいいよね。

そんなこんなで雑談の話題は多岐に渡り、今なにかと話題の「年金もう無理だからあとは自力で貯蓄してね夜露死苦!」的な為政者や「『高齢ドライバー』という単語を流行らせてただでさえ不満と貧困に苦しんでいる若い世代の憎悪を為政者ではなくしれっと高齢者に向けさせるマスコミ」の話などになると、母は腕組みしながら、以下のようなことを述べました(以下要約)。

「『人生100年』とか嘘だよね。だったら『後期高齢者』が75歳からって、設定おかしくない? そもそも『後期』ってすごい表現。葬式の斎場に早割予約があるくらいおかしい。『死ぬならお早めに』ってのがお国の考えなのかな? それだったらまずあなたたちが先に手本としてお逝きなさいって思う。だいいち、『おかしい』ことを『おかしい』といえないこと自体がおかしいと思うんだけど、今はそういう誠実さとか正直さなんてお偉いさん方がこぞってないがしろにしているから、まぁその背中を見て育つ子どもたちは大変だよね。その点、あんたはよく染まらずに闘ってるよ」。

ほほぅ。

えっと……。

この時に気づいたんですが……、

私の言葉遣いの荒っぽさは、間違いなく遺伝だ……。

なるほど。確かにあなたの血は私にガンガン流れてるみたいです。

そこへ父が、

「俺たちはもう、じゅうぶん働いたし、そのぶんいい思いもした。なんとか年金だって間に合った。だから残りの人生は、失ったものを追うよりも今あるものに感謝したいなぁ」

と、まるで弥勒菩薩のような発言をしたのですが、不動明王モードの母は

「でも闘ってこその人生だから! そうでしょ、心琴!」

「うーむ、まぁ、概ね賛成」

そんなこんなで女性陣(主に母)が戦闘モードに突入すると、決まって父は少し困り顔でニコニコします。なんかこの父母の光景、どこかで見た気がする――

あ、マイダーリンと私だ。

なるほど(今記事2回目)。なんだかんだでいろいろと遺伝しているようなので、そこへ昭和に生まれ平成に青春を過ごし令和に働く私ならではのオリジナルブレンド的な要素を加えて、口の悪さを無理に治そうとはせず(ほらもう治る見込みないでしょ)、天然素材を活かして今日も元気に闘ってきます。

そう、今日はこれから某省庁に乗り込むのです。いや、ちゃんと会議に招かれてるんだけどさ。まぁ私も手加減は一切しないので、あなたがたも本気出していいのよ?(ニッコリ)みたいな。

しかしながらまだ不動明王のレベルには遠く及んでいない気もする。仏のことはあまり詳しくないのですが、私の推し仏は弁財天です(「推し仏」という概念があるのかどうかも知らないけど)。だってほら、今日は給料日だよ。あ、給料日か! やったー!! ←煩悩!