白と黒

僕には夢がある

この口からもうこれ以上

クロアゲハが溢れませんように

家に帰ってきた君に

「おかえり」を言えるように

この口からもう二度と

クロアゲハが溢れませんように

私には願いがある

あなたがもうそれ以上

白い妄想に溺れませんように

私が帰宅したときに

上目遣いで痙攣しつつ笑って

その口からもう二度と

泡と雨とを降らせないように

僕ら/私たちが

優しい夜に/冷たい朝に

無防備に身を預けられますように!

僕には夢がある

君と一緒に

飛び立ったクロアゲハを追う旅さ

もちろん手を繋いで

私には願いがある

あなたの夢が

決して叶わないように掌を合わせ

勿論全てを拒絶して

泣いたのは、誰だろうね