花吹雪すべて忘れてしまおうか

叶わない恋ならいっそ蝶となれ

草の芽とともに天指す無垢な指

花として歩いてゆけと祖母のふみ

いさかいも花の下ではほどかれる

たんぽぽをたんぷぷという子がひかり

ぜんまいの苦さが旨さになる破瓜

あの人も雁と帰って一人飲む

桃の顔いわれ嬉しい褒め言葉

いぬふぐり踏まれても地を彩って