ひりひりと右肩が泣く秋の蝶

りりりりとなにが悲しい鈴虫よ

どんぐりと寂しさ分かつ手のひらよ

驟雨まで私を責めるため降るか

アキアカネ恥じらい消えてしまうまで

厳かに影を伸ばしてひらく桔梗

白亜紀も湿らせたのか秋時雨

見上げれば初恋を知る星月夜

栗ひとつ笑顔ふたつの牽制ぞ

空き缶のからんと響く秋の空

ススキまで去りぎわに手を振り返す