1

木枯らしは過日のきみの歌声を遠く遠くへ連れ去ってゆく

2

スカートをめくる北風もしかして私は恋をしたんでしょうか

3

傾いて置かれたままの写真立てのなかのきみは風を知らない

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落ち葉舞う朝を迎えて別れだけ必然であることに気がつく

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風を切り走る列車は新宿で風そのものになるんだろうな

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焼き芋を分け合う人が待っている北風ももう冷たくはない

7

木枯らしに2号がもしもあるのなら春二番だってあったっていい

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そよ風にススキがゆらら手を振って今年の秋も去るのだと知る

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凪いだ日は風の恋しい風の日は凪の恋しいないものねだり

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電話していいですかまだ木枯らしが心の中で荒れているから