私の庭(という強制的沈黙)

遠くで破裂音がして

目が覚めた青い夜は

寂しくなってもいい

冷たい廊下を裸足で歩いて

自分の首を絞めようとして

でもできなくて泣きました

カチューシャが似合わなくなって

夢の国だけでワンピースを纏って

どんどん静かになっていく私の庭

月、影、重なって、揺れる、

凍てついた扉を開け放って

破ったばかりのカレンダー

紙飛行機にして飛ばしたら

旋回してそっと沈みました

もう一度首を絞めようとして

爪を切ったばかりの両の手を

首元で交差させてみたけれど

マフラーみたいに巻きついて

とてもあたたかくてよかった

紙飛行機、地球、地平線、私の庭、

ゆれるゆれるゆれるゆれて

ざわつきざわつきざわつき

何もかもを過去形に肖って

幸せだったねって吐き捨て

本当に幸せになっちゃった

近くでオルゴールが鳴って

白い朝に目が覚めたのなら

悲しくなっていいでしょう

私の庭はどんどん静かになって

どこかのだれかの検索候補には

今日も寂しい言葉ばかりが並ぶ

上手く生きられない件ですが

そもそも上手く生きる必要が

どこにあるというのでしょう

——まだ大丈夫——

——だ大丈夫——

——大丈夫——

——うん——

——う——

———

——

ゆめからさめたら

おにわをおそうじ

なにもかもすてて

じぶんをあいして

いきていきましょ

いいこなんだから

いうことをきいて

もうだまっていて