爪切り 隣の部屋から、パチンパチンと爪切りの音が聞こえる。今の私にはそれすら疎ましく感じられた。毛布を体に巻きつけて、ふてくされて横になって、私は長いため息をついた。喧嘩した。ことの発端は情けないほど些細なことで、犬どころかきっとミジンコも食べちゃ… 2020-06-27掌編小説 更新履歴ケンカ,ふたり