私小説

レイナちゃん

午後9時の消灯から9時間はベッドから起き上がることができない。睡眠の確保のために、就寝前にはしこたま睡眠薬を飲まされるから。錠剤だけで腹が膨れそうな量を、ぬるい水で流し込むのだ。そのあと、「おやすみなさい」といっても夜勤の看護師は挨拶を返す…

置き去りバレンタイン

まぶたを開くのが妙に重たい。固いベッドのせいだ。脳みそに機械でも埋め込まれているんじゃないかと思うくらい、毎朝ほぼピッタリ午前5時半に目が覚める。もうずっとそうだ。喉が異様に乾いていたので、亜樹はプラスチックのカップを持ってベッドを降りた。…