純愛とか笑わせんな 「志望動機は?」同期の中竹佳樹がタバコ片手にだるそうに聞いてくる。山積みになった捜査資料にゲンナリしていた僕はため息をついた。「就活生かよ」「社会の平和を守るため、は嘘だろ」「なんでだよ」「志望動機は?」竹中は容疑者を詰問するような威圧的な… 2020-06-26掌編小説 更新履歴刑事,狂気,純愛
逝 夏 「まるでショパンに対する冒涜よ。そんな弾き方ってないわ」僕の『幻想即興曲』を水玉はそう評した。「そうかな」僕はこみあげる感情と一緒に指先でG#を抑える。反論するわけではないのだが、僕にだってプライドの一片はあるから、つい声が上ずってしまうの… 2020-06-26更新履歴 短編小説ピアノ,双子,狂気,純愛