短歌 うまくやるだけじゃ苦しくなるだろう無傷自体は欠陥だから
1 この蜘蛛を仲間に入れてやりたくて六本脚にしてやりました 2 うまくやるだけじゃ苦しくなるだろう無傷自体は欠陥だから 3 千羽鶴まずは一羽を折りましてあとはコピペで済む時代です 4 使用後の手持ち花火に頬を寄せありがと…
1 この蜘蛛を仲間に入れてやりたくて六本脚にしてやりました 2 うまくやるだけじゃ苦しくなるだろう無傷自体は欠陥だから 3 千羽鶴まずは一羽を折りましてあとはコピペで済む時代です 4 使用後の手持ち花火に頬を寄せありがと…
1 メッセージボトルを拾うどこからが過ちだったなんて知らない 2 歩けども地を這う蟻の賢しさに敵わないこのくたびれた肝きも 3 向日葵が枯れればすぐに刈り取ってその断面を凝視するきみ 4 輝きを手にしたいとき宝石じゃなく…
1 揺れていたのは向日葵ときみの影 ソノタオオゼイでいたかった 2 光れないからこそ光が当たるああ短所は実は愛せる余地だ 3 光さす場所を求める僕ら肺呼吸とか自意識とかを手放せないで 4 この蟹は美味いんだけど横にしか歩…
5 このガムの味が消えたら帰るって決めていたのに消えないミント 6 届かないものほどきれいに見えるのは細部をろくに知らないからだ 7 ビー玉に逆さの海を閉じ込めるため息さえも涼風にして 8 理不尽が初期設定の現実を笑い飛…
1 殴っても謝らなくて済むように払ったものは犠牲かカネか 2 テンプレを剥がす知性を身につけよ9月1日迎え討つため 3 もぎたてを齧る以上の贅沢は必要がない夏のまんなか 4 知ることとわかることとは別物だ 夜風がすでに秋…
1 向日葵の前向きなさまなぜかしら枯れた姿を想ってしまう 2 サイダーの泡のすべてが意思を持つ気がしてしまう夏は嫌いだ 3 ハードルが高いのならば蹴り倒すスタンスだってあっていいだろ 4 悪役は悪い奴にはできないと祭囃子…
森には、異界へと繋がる門が存在する。そこではどんな豪奢な服も煌びやかな宝石も磨き上げた剣も、まるで意味を持たない。あどけない門番は、辿り着いた者へこう問いかけるだろう。 「きみは、何色が好き?」 その先に在るのは「自由」…
1 冷凍庫 氷 倫理の通じないスマホに払うカネがあるなら 2 降ってきた 晴れてるよ? いや降ってるよ きみがいうならそうなんだろう 3 うまくやることが優しく在るよりも重要なんて ざらめが苦い 4 怪談とバンジージャン…
1 母になる笑っちゃうほど不安でも大丈夫ってもう気づいてる 2 狂犬と呼ばれたきみはその歯牙を自ら捨てて絵本を探す 3 伝えても伝えてもまだ届かないから何度でも好きと伝えよ 4 執着は劣等感の表れと認めぬ者が縋る暴論 5…
1 愛しさのあまりおかしくなるなんて正常なことだと思うけど 2 きみの目が夜になるとき雷鳴はわたしの中で それでも、と告ぐ 3 銃口を向ければそれは銃口を向けられていることを意味する 4 弾倉に愛が詰まっていることを気づ…