短歌 成果だの目標だのに縛られず地名の由来を空想したい
1 ほんとうはきちんと怒いかりたかったと気づけただけでわたしはえらい 2 新宿で解散のあと数人で行ったカラオケこそ忘れじの 3 いつもなら降りない駅にきみがいたいつもみたいなアサシンの目で 4 湖に欠けゆく月を見つけても…
1 ほんとうはきちんと怒いかりたかったと気づけただけでわたしはえらい 2 新宿で解散のあと数人で行ったカラオケこそ忘れじの 3 いつもなら降りない駅にきみがいたいつもみたいなアサシンの目で 4 湖に欠けゆく月を見つけても…
わたくしといふ現象は 透明なゴムボールの現在地です わたくしの跳ねるところが アスファルトならば 冷たく固い音を立て 朝露を抱く草原ならば 滑らかに沈黙し 雑踏に紛れたならば 蹴られて踏みつけられて けれどもうまく汚れら…
1 満月をさらに満たそうとしてくるそれを愛だと思うほかなく 2 オジギソウ葉っぱを全部ダラララと弾いた奴と話がしたい 3 タルトから逃げたベリーを目で追えばきみの過去などどうでもよくて 4 オムレツがとてもきれいにできた…
1 この蜘蛛を仲間に入れてやりたくて六本脚にしてやりました 2 うまくやるだけじゃ苦しくなるだろう無傷自体は欠陥だから 3 千羽鶴まずは一羽を折りましてあとはコピペで済む時代です 4 使用後の手持ち花火に頬を寄せありがと…
1 メッセージボトルを拾うどこからが過ちだったなんて知らない 2 歩けども地を這う蟻の賢しさに敵わないこのくたびれた肝きも 3 向日葵が枯れればすぐに刈り取ってその断面を凝視するきみ 4 輝きを手にしたいとき宝石じゃなく…
1 揺れていたのは向日葵ときみの影 ソノタオオゼイでいたかった 2 光れないからこそ光が当たるああ短所は実は愛せる余地だ 3 光さす場所を求める僕ら肺呼吸とか自意識とかを手放せないで 4 この蟹は美味いんだけど横にしか歩…
5 このガムの味が消えたら帰るって決めていたのに消えないミント 6 届かないものほどきれいに見えるのは細部をろくに知らないからだ 7 ビー玉に逆さの海を閉じ込めるため息さえも涼風にして 8 理不尽が初期設定の現実を笑い飛…
1 殴っても謝らなくて済むように払ったものは犠牲かカネか 2 テンプレを剥がす知性を身につけよ9月1日迎え討つため 3 もぎたてを齧る以上の贅沢は必要がない夏のまんなか 4 知ることとわかることとは別物だ 夜風がすでに秋…
1 向日葵の前向きなさまなぜかしら枯れた姿を想ってしまう 2 サイダーの泡のすべてが意思を持つ気がしてしまう夏は嫌いだ 3 ハードルが高いのならば蹴り倒すスタンスだってあっていいだろ 4 悪役は悪い奴にはできないと祭囃子…
1 冷凍庫 氷 倫理の通じないスマホに払うカネがあるなら 2 降ってきた 晴れてるよ? いや降ってるよ きみがいうならそうなんだろう 3 うまくやることが優しく在るよりも重要なんて ざらめが苦い 4 怪談とバンジージャン…