うずくまる影に隠れる彼岸花 ときめきは割れた栗たち破顔する 秋薔薇も僕も笑っていいですか かりがねを見送るだけの独り道 デートには死者に梔子の香水
しわくちゃの笑顔に結ぶななかまど 誰もみな孤独であるとカラス鳴く 蜘蛛の糸 夫婦の意味を問いかける ラグビーのルールを知らず酌み交わす 命日は忌念日らしい彼岸花
しっかりと暑さを惜しむ棒アイス 古本の隅に見つけた私の名 肉筆がむかしむかしのひとの癖 オルゴール僕を彼岸に導けよ プラタナス並木に落とす影ふたつ