短歌 年末
1 お便りは tasukete@god.ne.jp まで 待ってるよ 2 傷跡のない人生はつまらない下味のないチキンみたいに 3 一晩で片づけられたクリスマスツリー 私は笑ってました 4 靴下に穴が開いたら縫えばいい が…
1 お便りは tasukete@god.ne.jp まで 待ってるよ 2 傷跡のない人生はつまらない下味のないチキンみたいに 3 一晩で片づけられたクリスマスツリー 私は笑ってました 4 靴下に穴が開いたら縫えばいい が…
セロリまで筋が朝向く食卓よ 染まりゆく名残りの空に手透かして 思い出を指で閉じ込め日記果つ 白鳥よ旅立つ朝の決意こそ 木枯らしが窓たたく夜のオラトリオ
私にとってメタセコイアは どこまでも悪辣な他人事で あなたにとってその大樹は 呼吸そのものだったとして 結局微笑むことを選ぶでしょう 危機を報せるジングルベルが あなたには只管 おめでとう おめでとう と聞こえるのは 夜…
私の愚かさは例えるならば 血を吐く前夜の白羊 ミュートしたまま終わった 大演説のごとく虚しい 始まりのない終わりは何処 私に居座るよくない細胞 ついた嘘の数だけ分裂する 下がりきらない半音に ジムノペディを糾弾しても う…
1 最低と口にするきみ凹むぼく天気の話とわかっていても 2 速報に耳を塞いで笑ってる愚鈍と安穏とは比例する 3 ビー玉を夕陽に透かす憂鬱な表情をして土鳩が過ぎる 4 ビー玉を夕陽に透かす憂鬱もかけがえのないあなたの一部 …
飛べばいいんだ 苦しいのならば ここ以外の空へ 飛べばいいんだ あなたは懲りもせず 素数を数え続けては 時折偶数に瞠目して 修正ペンを探し出す 飛べばいいんだ 可笑しいのなら ここ以外の地へ 飛べばいいんだ あなたは相変…
1 十年に一度の寒波メイクして街を歩けば頬に立つ霜 2 霜柱踏んづけ歩く朝のみち遅刻のわけを誰も責めない 3 晴れた日にこそ降りる霜出会いとは別れの合図(認めたくない) 4 しもやけになるまで待っていてくれた改札口のきみ…
勝ち負けは二の次にして運動会 羽ばたきも鈴の音色よ小鳥来る 秋の蝶うつつと夢幻さすらうか 旅人の終着点か天の川 柘榴割る恋にやぶれた昼下がり
手かざしてひとり佇む望くだり 赤とんぼ子らの頭上に弧描いて 夜学してペン先夢に近づくか 影ひとつ夜風に揺れるすすきの穂 返せない手紙仕舞って秋風よ
1 カーディガン濡らす秋雨改札で二本の傘と待っていたきみ 2 水たまり輪っか浮かんで消えていくのを眺めてるきみを眺める 3 雨のこと悪天候というけれどそれならぼくは悪になりたい 4 ぼくはね、と言いかけたまま沈黙にふたり…