短歌 初夏
1 ドローンは孤独を壊すためにあるという説だがやはりオバケか 2 ヒーローになれる方法があるなら三回払いで買わせてくれ 3 君だけがわかってくれたほろ苦さ 焦げたキャラメル食んで微笑む 4 水たまり飛び越え進む初夏の道 …
1 ドローンは孤独を壊すためにあるという説だがやはりオバケか 2 ヒーローになれる方法があるなら三回払いで買わせてくれ 3 君だけがわかってくれたほろ苦さ 焦げたキャラメル食んで微笑む 4 水たまり飛び越え進む初夏の道 …
1 偉い人なんていないよ 偉そうな人なら街に溢れてるけど 2 黒猫で親指ぎゅっと隠したらぽつぽつ漏れる死にたい理由 3 終電を逃した猫の迷い子は夜が明けるまで罪を匿う 4 シグナルが点灯しても気づかずに踊り続ける人のプラ…
1 きみ、天使に間違えられることはない? 僕の視力が落ちたのかしら 2 いくら手を伸ばしたとしても届かない君ならいっそ君ならいっそ 3 人びとの関心を集めた途端 立ち枯れていく淡いまぼろし 4 あれこれは全部むかしの出来…
1 街中のネオンサインを消し去って残る文字こそ私の名前 2 泣きながら生まれてきたしこの頃は笑ってみても咎められない 3 通過駅に懐かしい名を見つけて頭の中で絶叫をする 4 繋ぐ手に嘘偽りはありません 冷や汗動悸 いいえ…
1 調律が必要みたい 少しだけ生きづらいのはたぶんそのせい 2 無理をしてキスをねだった日もあった 笑い話になりますように 3 形から入るタイプと連弾で触れた指から紡ぐナラティブ 4 口下手で不器用なのもちゃんと好き 理…
1 情報のソースを出せと責められてあなたを好きな理由が滲む 2 傘の花咲く街を行くふたりきり こうも雨では影も伸ばせぬ 3 特急の窓に打つ雨の滴がそれでいいよと囁いている 4 雨の夜に巣食った油断をこれから恋と呼ぼうか馬…
1 優しさは真綿となってその首に巻きつくために存在してる 2 忘却はなだらかな線を描いてやがてあなたの鎖骨に刺さる 3 愛してる愛してたまだ愛してる 振り子の等時性を疑う 4 曇天でよかった私もう少し誰も呪わず生きてゆけ…
1 この窓は君に続いているだろう 何があっても開けないだけで 2 三日月を飾ってみるとモミュの木は優しいほうへ輝きを増す 3 限られた命と知ってなお犯す過ちまでももはや愛しい 4 駅舎から海が見えると君は言う その水底に…
1 これ以上嘘はつけない幸せになったところでそれ嘘だから 2 テーブルにとまった羽虫を潰してほんの小さな罪に溺れる 3 もう誰も思い出さない忌念日が私の手帳にシミをつけてる 4 笑うしかない僕らには嘆く暇なんてないからも…
1 支配者の寝顔に油性マジックで綺麗な花を描いてあげたい 2 怒るべきときがあるから今はただは葦の隣でゆらり揺れてる 3 ステータスなんかできみを見ていない 学歴 お金 ぜんぶモノクロ 4 誰がどう言ってもがいいさこれか…