布
1 鈴なりの柿をもぐ手の白い様 冬よ二人に早く来てくれ 2 読書する君の視線がたどる文字 それすら嫉妬する理由だよ 3 肺呼吸すら苦しいと頑なな君をこのまま抱いてもいいか 4 赤ペンを握るその手の体温を奪うことなど考えて…
1 鈴なりの柿をもぐ手の白い様 冬よ二人に早く来てくれ 2 読書する君の視線がたどる文字 それすら嫉妬する理由だよ 3 肺呼吸すら苦しいと頑なな君をこのまま抱いてもいいか 4 赤ペンを握るその手の体温を奪うことなど考えて…
1 ターコイズなんだね君の両の目はどうりでひどく傷つきやすい 2 信号がエメラルド色に灯るとき人々の歩は二拍子になる 3 どこかにはダイヤのような輝きがこんな僕にもあるのだろうか 4 アメジストでよかった君の誕生石 二月…
1 しゃぼん玉ぱちんと割れて独りきり冷めた紅茶の行く末を知る 2 カスタードプリンに宿る悪意とは甘い時点で君と等しい 3 マカロンの作り方より単純な私のこころ早くいなして 4 あかんべえザラメのような恋をした 甘ったるく…
1 耳たぶに穿たれている穴二つ誤魔化すように石がきらめく 2 路傍には鍵が落ちてて行き先をなくしたバスを猫が手招く 3 紅茶とはお湯がなければ枯葉だと憂うあなたのため息のクセ 4 飛ばされる駅の近くに住んでます あなたは…
1 カルーセル止まらぬうちに咳隠す くるくるくるって楽しいねって 2 難しい顔をして聴くJ-POP あたしひとりで死んでいくんだ 3 手を振って笑ってないで今すぐにロックスターとして突っ込んで 4 受話器から聞こえる声を…
1 mixiにつけてる君のぼやきなど今どき誰が読むというのだ 2 真剣な顔でスマホを操って今日この頃の愚痴を彩る 3 ぽつぽつと消えてゆく泡を含んで甘ったるいと文句をつける 4 ふたりして不機嫌な日は毛布から出ずにキャン…
1 とりあえずキスでもしとく? 明日まだ呼吸してるか自信がないし 2 ドーナツの穴から君を覗いたら虚しさの意味を思い知った 3 人間の仕組みなんです寂しいと爪を噛むのも旗を振るのも 4 丁寧語なんてやめてよ言い訳が上手く…
1 底冷えの街に暮らして明日もまた同じ夕陽を待ちわびている 2 街はもうクリスマスなどは置き去りそんなものさと笑うみなさん 3 から回る歯車抱いて星空を見上げ損ねる日々を重ねる 4 ほらここが孤独の巣だと指をさす左の胸の…
1 生真面目は褒め言葉ではありません そろそろ上着を脱いだならどう 2 目に映るすべて愛してみたかった かつてあなたがそうしたように 3 嘘をつくとき両の目がよるという癖に気づいた私はえらい 4 目薬を五階からさすチャレ…
1 永遠という幻は芳しく多くの人を惑わす魔物 2 ひとはひと わたしはわたし それだけのことを解すのにきのこが生えた 3 横顔を射抜く真冬の夕焼けがずっとあなたを責め続けてる 4 もう今日は帰らないでね いつもよりたくさ…