星座になる
傷を見せ合って 時に舐めあって 浸る感傷にも飾りがついたら 帰るべき場所をやっと見つけた 二人、寂しかったよ 一緒にいても 足し算できない孤独が纏わり付いて 傷をきらびやかにさせたんだ 三拍子から変拍子へ 光の射さない方…
傷を見せ合って 時に舐めあって 浸る感傷にも飾りがついたら 帰るべき場所をやっと見つけた 二人、寂しかったよ 一緒にいても 足し算できない孤独が纏わり付いて 傷をきらびやかにさせたんだ 三拍子から変拍子へ 光の射さない方…
女が感傷に浸り 手首の傷跡をなぞる夜 素数を数えていた男は ふうっと息を吐く それがとても白かったものだから すっかり冬ねとこぼしても 男はメルセンヌ数を逆さにして ひたすら暗誦しているばかり 私は2よ。 孤独の素数。 …
心にも予報外れの雨が降ります するとわたくしは もう 孤独を知った気になって かさかさの肌の下で とろとろと血が流れているなんて 信じないことにするのです 母から始めて叩かれた日 父から哀れな目で睨まれた夜 わたくしは …
(1) ケーキ屋の隣に歯医者がある。僕はなんとなくそれを笑っていたのだけれど、君の住む街では病院の向かいに斎場があるらしいね。 (2) 斎場の隣に焼肉屋ができたと聞いた時には、「無神経」の意味を思わず辞書で引いてしまった…
沈黙は美しすぎて 怖くなるから破ってしまった 秘すれば咲く花 散りました 夜空に煌めくお星様 今年も出逢えたオリオン座も 無常以上に官能的に 彼方へ沈んでいくのでしょう 置いてかないで 目を凝らしていて 明日まで待てる自…
紅葉が燃えるような美しさに包まれる景色を見た。しかし彼はそれを「葉の色素が死んだ物質の沈殿」としか認識せずに、薄笑いながら鼻歌を歌う。それは確か、グリーンスリーブスだ。 私はその音色にギクリとして、ティースプーンをテーブ…
容易く祈ってはならないと あれほど言ったのに お前はまた手を組んで 両目をきつく閉じている その隙に僕は薄氷の上で お前の影を盗むのだ お前がこれ以上何も望まないよう それを拒絶するならば 回転木馬のことを想え まわる …
とぷん、とぷん、 君の心臓は面白い音がするね。 ぐらん、ぐらん、 君の自意識はすぐに揺らぐね。 今まで見てきた星の中で もっとも美しいそれには まだ名前がないんだっけ ぱちん、ぱちん、 どこかで何かの爆ぜる音がしている。…
散々ないがしろにした おのれの影を抱くと そいつはしとしとと泣いており あらためて 可哀想なやつだと思った 鏡で自分を見るとき なるべく微笑むのは そうでもしないと 睨まれることを よく知っているから くたびれた我が影よ…
ボロボロと涙が降る夜は、神無月に居残る祈りを未練と呼ぼう。それだけで救われることもあるから、なんてね。 君は無力だ。青春のやり直しをスクリーンに求めてばかりで、性懲りもなくときめいている。それで満たされるほど単純で簡素な…