短歌 吐息

1 二番目じゃだめなんですと涙声 掴んだ袖に嵐の予感 2 告白がまるでこれでは告発だ 誰が君の心を踏んだ 3 時ぐすりが効いてきたから大丈夫 私あなたと眠っていたい 4 ただ一人を信じる勇気が生まれて師走の空も笑ってくれ…

citrus in the dark/waltz

私はあなたの傷のありかを知っている。あなたが一番痛がる場所を知っている。知っていながら、そこをえぐる。知っているからそこそ、そこをえぐる。三拍子でえぐる。それが罪になるのなら、もう恐れるものは何もない。失うものといえば太…

月兎

「君を、抱いていいの」 まるで罪の告白、或いはあどけない脅迫。それは前奏のないポップスのように明け透けだ。 私は許しを与えるように首を縦に振った。 「本当に?」 疑心暗鬼に支配された言葉。信じられないということは一種の弱…

マグカップ(All you need is…)

貴方が寝ぼけ眼で毎朝淹れてくれるコーヒーは、私にとって幸せの香りだ。駅前で買ってくるそれらは、専門店で挽かれてその場で真空パックされる。鮮度を保つために。 私は、たまに貴方を真空パックにしたいと思う。刻一刻といつかやって…

プリンセスプロファイル

人魚のことなんだが あいつは嫉妬深くて 海の藻屑になって尚 眼球だけは漂わせて 王子様が老いてゆく その様を炯炯として 睨み続けているのだ 灰かぶりについては 極彩色の復讐を企て 新品のギターを買い しならせる特訓中で …

石榴

口つけて炭酸水と航海す 石榴より私を噛んで今すぐに 梔子も噂話が好きみたい 校庭を朧月夜に睨んでた このままで終われるものか山あざみ