今日の短歌 ばかだなあ
1 かくれんぼ西陽の部屋で首を振る扇風機にも見つけられない 2 「美しい」ほかに言葉が要るだろうか夕立のあとの改札のきみ 3 くだらないことだけをして公園でコンビニアイスを分ける夜が良い 4 わたしには泣いてるように見え…
1 かくれんぼ西陽の部屋で首を振る扇風機にも見つけられない 2 「美しい」ほかに言葉が要るだろうか夕立のあとの改札のきみ 3 くだらないことだけをして公園でコンビニアイスを分ける夜が良い 4 わたしには泣いてるように見え…
1 目玉焼きなんて名前をつけるからこの箸だって凶器になるね 2 知らなくていいことばかり知りたいしゲリラ豪雨はやまなけりゃいい 3 直接の死因ばかりを知りたがるこの方々に殺された友 4 死者がみな土に還るというのなら地球…
1 種を吐くときの顔すら好きだからたぶん飽きてもまた風は吹く 2 蝉を見ろあいつらすぐに逝っちまう叫ばなければ生きてゆけます 3 気づいても言わないでおく傷ついたぶんだけ人が強くなること 4 この夏は地獄の蓋を開けたまま…
◈梅雨 雨のなか白い紫陽花を睨んで私の名前を呼ぶのはやめて とある日曜日、小雨のときは傘をささないきみが、ふと公園で立ち止まって「アナベル」という名前の白い紫陽花をじっと見ていた。 みるみる、きみの視線は鋭利になっていく…
1 ふつおたはフランスのオタクじゃないの。「よくある質問」に入れておく? 2 大雪の予報を告げる予報士の隠せぬ笑みが音声に乗る 3 眠れない夜に何処かのくだらないトークに励まされる(ありがとう) 4 まだまだだまだまだす…
1 傷つけた人の顔にはモザイクをかけやり過ごす二月の短さ 2 泣きたいと泣くの間の距離感を埋める二月の生ぬるい風 3 花ですか、それとも可能性ですかきみが二月に失ったのは 4 ただ画面のなかに映る海があり見つめるだけのぼ…
1 Bメロを繰り返してる口笛が金曜の夜の雪に消される 2 「積もったね」返事をせずに訥々と雪を人さし指で追ってた 3 新雪に初めて足跡つけたからそこからここは支配空間 4 コンビニのおでんが今日は優しくて窓の外では雪降り…
1 UFOを見かけた夜の帰りみち白い息だけ捕まえ歩く 2 人材、と呼ばれるときに血と骨でできていますと答えたくなる 3 おでんではちくわぶが好き共感は別のところでお願いします 4 こたつとは要塞である最強のかたつむりとは…
1 思ってたよりも楽しい毎日だ犯人はきみ、きみが容疑者 2 撤去されツリーはただの樹になって半額ケーキつつく納め日 3 ほのぼのと生きてゆきますこの世からポッドキャストが消えない限り 4 ぎゅっとして離れるときの一…
1 著作権切れたとたんに人々を襲いはじめたあの黒ネズミ 2 自販機の右端にいるおしるこはちゃんと私を見下している 3 好きだった好きすぎてもう苦しかった動機はそれでじゅうぶんだった 4 「『確かに』が『しかし』とセットな…