短歌 すっぴん
1 すっぴんで葬った過去 果てしない季節の巡りに逆毛を立てる 2 ラジオからやっぱりきみのSOS 聞こえないふりして眠りたい 3 ワイシャツのボタンを掛け違えている 気づいたけれど教えてあげない 4 この街がパズルだった…
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1 すっぴんで葬った過去 果てしない季節の巡りに逆毛を立てる 2 ラジオからやっぱりきみのSOS 聞こえないふりして眠りたい 3 ワイシャツのボタンを掛け違えている 気づいたけれど教えてあげない 4 この街がパズルだった…
1 稜線の向こうにはもう何もない 白い絵の具を買って帰ろう 2 ゆりかごを燃やすための火吹き消して胎盤を食む生き物のこと 3 化物と呼ばれるために100点のテストに全部火をつけようか 4 火をつけるために100点を探すが…
1 聞こえないふりを貫け嗤い声はやがて必死な声になるから 2 鉄線の上で身動きしない鳩の代わりに空を汚しにゆこう 3 ハート型の雲よ浮かぶな結局は消えてしまうとばれてしまうよ 4 彼岸との接岸点に立っている優しいひとが見…
1 美男美女ばかり出てくる作品のエキストラにもなれないネイル 2 雨が降る 泣く人泣いてるふりの人 誰の罪かはまだわからない 3 ふわふわの鳥はかわいい羽ばたいて早くお逃げよ(きっと美味しい) 4 きみのため爪を切る夜 …
1 冷暗所で爪を噛んだおかげで孤独を辞書で引かなくて済む 2 おかしいな規則正しく生きてきた規則正しく生きてきたのに 3 生まれたらカウントダウンがはじまるから泣きながら生まれてきたの 4 だれだれがどこどこでなにをして…
1 日に焼けたポスターの赤誰のせいにもできないニュース速報 2 諍いの声が聞こえる誰のせいだろう夜明けがこんなに遠い 3 論破って名前を犬につけましたどこへ行っても素直な論破 4 ヒンメリの影を指先で追いかけあっひとりか…
1 蝉時雨まだ許されていない午後伝う汗まで私を責める 2 わからないことがわかると宝物ひとつ失くした気持ちが実る 3 月まででいいから早く連れてって片道切符で構わないから 4 老いという現実はにび色をしてどこへ行っても視…
1 何回も同じCMの流れるリビングの隅に浮く金魚たち 2 夏祭りあやまちさえも彩りを増すか夜空の打ち上げ花火 3 真っ白なシューズをおろした夜なのに月が視界に飛び込んでくる 4 叫んだら許されますか良いことと悪いこととが…
1 手鏡に向かい笑顔の練習を毎夜しているひとの屋根裏 2 喪ったひとを捜して鋲を打つ 二度とどこへも行けないように 3 ひろしたちひろしたちひろしのショパンは犬のサイズがやたらとでかい 4 マリー・アントワネットが最期に…
1 凪を待つ蝶々みたいに呼吸する 明日いいことありますように 2 死にたさをまだ剥がれないかさぶたの下に生まれる皮膚は知らない 3 きみが今どこで誰と何をしているなんて知らない(西風よ吹け) 4 壊れかけ何もきかせてくれ…