短歌 アドレッセンス
1 頭からトマトスープに突っ込んで溶けたあなたの味が好みよ 2 あやとりの得意な人は手をあげて そこに神経を通しますね 3 危険だと早く逃げてと叫ぶ君のシルエットがもう笑ってる 4 なにもかも芽吹き始めたせいにして思う存…
1 頭からトマトスープに突っ込んで溶けたあなたの味が好みよ 2 あやとりの得意な人は手をあげて そこに神経を通しますね 3 危険だと早く逃げてと叫ぶ君のシルエットがもう笑ってる 4 なにもかも芽吹き始めたせいにして思う存…
1 へたくそな口笛だって構わない 今はひたすら声がききたい 2 桜色の袴が似合う人でした ほんとに淡く散ってしまった 3 嫌いとは愛の同義語 三月の空になびかぬ切りすぎた髪 4 アイシャドウなんてつけない 嘘のない瞳で君…
1 さよならを置き去りにした二人して永遠求めツツジを啜る 2 幼な子の黒目に問うてみるがいい ちゃんねるを見る背中はどうか 3 やわ肌についた傷ごとよろしくね あなたの爪が弾く思い出 4 省みることのできない阿呆烏 正義…
1 ドローンは孤独を壊すためにあるという説だがやはりオバケか 2 ヒーローになれる方法があるなら三回払いで買わせてくれ 3 君だけがわかってくれたほろ苦さ 焦げたキャラメル食んで微笑む 4 水たまり飛び越え進む初夏の道 …
1 偉い人なんていないよ 偉そうな人なら街に溢れてるけど 2 黒猫で親指ぎゅっと隠したらぽつぽつ漏れる死にたい理由 3 終電を逃した猫の迷い子は夜が明けるまで罪を匿う 4 シグナルが点灯しても気づかずに踊り続ける人のプラ…
1 きみ、天使に間違えられることはない? 僕の視力が落ちたのかしら 2 いくら手を伸ばしたとしても届かない君ならいっそ君ならいっそ 3 人びとの関心を集めた途端 立ち枯れていく淡いまぼろし 4 あれこれは全部むかしの出来…
1 街中のネオンサインを消し去って残る文字こそ私の名前 2 泣きながら生まれてきたしこの頃は笑ってみても咎められない 3 通過駅に懐かしい名を見つけて頭の中で絶叫をする 4 繋ぐ手に嘘偽りはありません 冷や汗動悸 いいえ…
1 調律が必要みたい 少しだけ生きづらいのはたぶんそのせい 2 無理をしてキスをねだった日もあった 笑い話になりますように 3 形から入るタイプと連弾で触れた指から紡ぐナラティブ 4 口下手で不器用なのもちゃんと好き 理…
1 情報のソースを出せと責められてあなたを好きな理由が滲む 2 傘の花咲く街を行くふたりきり こうも雨では影も伸ばせぬ 3 特急の窓に打つ雨の滴がそれでいいよと囁いている 4 雨の夜に巣食った油断をこれから恋と呼ぼうか馬…
1 優しさは真綿となってその首に巻きつくために存在してる 2 忘却はなだらかな線を描いてやがてあなたの鎖骨に刺さる 3 愛してる愛してたまだ愛してる 振り子の等時性を疑う 4 曇天でよかった私もう少し誰も呪わず生きてゆけ…