短歌 辞書
1 「雨が降る」と引くと「苦悩する」ことと同じと載ってる辞書がほしい 2 宇宙とはただの奇跡で偶然でそのくせ等しく必然らしい 3 真っ白なパレットに広げた白色の絵具の行方を知りたくて切る 4 なんだってわかるのスマホさえ…
1 「雨が降る」と引くと「苦悩する」ことと同じと載ってる辞書がほしい 2 宇宙とはただの奇跡で偶然でそのくせ等しく必然らしい 3 真っ白なパレットに広げた白色の絵具の行方を知りたくて切る 4 なんだってわかるのスマホさえ…
1 四月馬鹿五月凡才六月に本気出すからそこで待ってろ 2 天井の蛍光灯の明滅を数えて過ぎる青春もある 3 「ピカピカの一年生」がなぜマイナーコードなのかがさっきわかった 4 友達を百人作れというのならあなたが先に手本を見…
1 目的地まであと三歩届かずに三歩ごまかし過ごす生きかた 2 マジシャンの本気の恋は種明かしできないゆえにひどく不評だ 3 夜が天から階段を降りてきて夕焼け抱いたのが動機です 4 行先のわからないバスを降りられずふたりぼ…
1 許可もなく生きてたカエル 許可を取り理科の時間に解剖をする 2 優・良・可じゃなく不可の奥にあるほんとのことを書いてください 3 物故者の欄に確かに載っている私の名前が10ptで 4 涙まで織り込み済みの「おめでとう…
1 書くことを探して結局「これからもよろしくね」って嘘を残した 2 黒板の右下に名が載るたびに笑われたからもう笑おうか 3 教室の窓ガラス一枚ですら割れずに過ぎる正しい青春 4 嘘をつき立ち回りよく空気読む 全部教室で学…
1 不機嫌なきみの向かいで風水のせいにしてみるケンカの理由 2 お湯足せばまだ味が出るのに席を立つような人とは生きてゆけない 3 よく食べてよく寝て笑いお薬を飲んでいるけど苦しい 許せ 4 血を吐いたこともないけどつらい…
1 おさなごの駄々こねる声なつかしくあの子も私に溶けるひかり 2 青春がうまく弾けないアルペジオだったと気づく視聴覚室 3 正答が正当化するプロセスのよこで首吊りしていたあなた 4 窓の外に顔つき出して見上げても如月なん…
1 寝坊助のきみのほっぺをつねるとき我は稀代の悪者となる 2 もしきみが病める朝にはアラームを止めて私もそっと閉ざそう 3 ワイシャツの襟を直してあげるとき きみは黙ってペンギンになる 4 三日月を美味しそうだというきみ…
1 愛がもし海によく似たものならばなるべく広く深くありたい 2 使い捨てカイロに礼を言ってから捨てるあなたのあたたかいクセ 3 錆び付いて誰も乗らないブランコを揺らすみたいな愛の告白 4 秘密などなにひとつない愛しさがあ…
1 どうしてもあなたのことが許せない なぜ目薬にわさびを混ぜた 2 入口が出口で入口が出口 人は自覚の足りない迷子 3 生ハムが生きたハムだと思ってたあの頃皿はまだ白かった 4 脳内に住むおっさんの口ぐせは「まぁいいじゃ…