Case4.予言
はるかを元気づけようと香織が提案したのは、ショッピングだった。女子二人ではしゃぐのも悪くないが、より買い物をエンジョイするため、との名目で葉山も同行してもらうことになった。 つまり、下手に隠れられるより目の前にいてもらっ…
はるかを元気づけようと香織が提案したのは、ショッピングだった。女子二人ではしゃぐのも悪くないが、より買い物をエンジョイするため、との名目で葉山も同行してもらうことになった。 つまり、下手に隠れられるより目の前にいてもらっ…
るいの病室を出たはるかに声をかけてきたのは、娘を連れた隆史だった。 「はるかちゃん」 「西条さん。どうしてここに」 「お見舞い」 そう言って、テラエシエルと同じアーケードに入っているケーキ屋の箱を見せた。 「シュークリー…
逡巡する葉山の目の前に、かちゃんと音を立ててコーヒーカップが置かれる。葉山がハッと息をつくと、目の前でコーヒーが湯気を立てていた。 ホスピタリティのかけらもないな、と葉山は内心でつぶやいた。 コーヒーを一口すする。味は悪…
古城姉妹は早くに両親を亡くしており、9つ年上の姉るいが会社員として妹のはるかの夢を応援していた。はるかはどちらかというと引っ込み思案で、何をするにもるいの後ろについて歩くような性格だ。 そんなはるかの夢は、パティシエにな…