今日の短歌 予感
1 甘噛みのあとで目が合うカーテンを揺らす涼風だけが知ってる 2 火の揺れるのを見つめてる予感とはたぶんあなたのまばたきのこと 3 ろうそくの火を吹き消してさよならは夏に対してだけ告げたはず 4 水槽を覗くふたりは寂しさ…
1 甘噛みのあとで目が合うカーテンを揺らす涼風だけが知ってる 2 火の揺れるのを見つめてる予感とはたぶんあなたのまばたきのこと 3 ろうそくの火を吹き消してさよならは夏に対してだけ告げたはず 4 水槽を覗くふたりは寂しさ…
1 寂しさに果てる夜もあるいちかけるいちが2になれないせいだろう 2 深爪は自傷行為かサイレンが近くで鳴る夜は迎えに来てよ 3 虫の音と奏でるきみのひとりごとうわごとねごと心臓のおと 4 ただ空が美しかっただけなのにきみ…
1 おかえりを言うためだけに起きているもうすぐ私ロボットになる 2 あんぱんの空虚地帯はカロリーを気にする者のああ免罪符 3 かわいいの最上級にきみの名を冠して辞書を編む秋の暮れ 4 カーディガン重ね着をして咳ひとつ心配…
1 容赦ない季節ときの巡りに黙りこむコンロの炎とつとつ揺れる 2 おくれ毛にからみつく指ほんのりとみかんのにおい(きみだけだから) 3 カーラジオから流行歌「知らないね」と笑いあう午後たしかにふたり 4 満月にアクセル深…
1 おそろいのタオルはためく昼下がりナイフ片手に影も揺れてる 2 枯れていく花束見つめ幸せを過去形にするきみの黯い目 3 優しさの意味を辞書引くことはない花のあふれる街に暮らして 4 叫べたら壊れることもなかったと軋む吊…
1 初雪を待つ窓辺にて会いたさをミルクココアにぐるぐる溶かす 2 加湿器の勤勉なこと灰色の街に暮らして十一年目 3 吐く息の白さを比べあって今日特に用事がなくて嬉しい 4 新しい財布をセールで買ったら入れるお金が減ってし…
1 もう一度絶望したいリスタートしてこそ見える景色が見たい 2 心臓に近づける耳わたしにはわたしの生きる理由しかない 3 遮断機は規則正しく排除する生きる予定の人と猫とを 4 照らされたファストファッションの看板倒れるの…
1 羞はじらいは心の溝に生える苔どうか触れずに育ててほしい 2 走れ、いまこの瞬間の羞らいはいつかの実り 心のままに 3 羞らいを忘れた人が集まると偏差値がどうとか言い出して 4 満員の電車に宿る数百の命と同じ数の羞らい…
1 着火剤よりも苛烈なきっかけがきみであるもう後悔はない 2 孤独より孤立が怖い「助けて」が届かないなら声を燃したい 3 窓ガラスにイニシャルを指でなぞってぜんぶ夕焼けのせいにしたね 4 灯火ともしびを絶やさぬように呼吸…
1 すっぴんで街を歩けばなんとなくだけど心は百獣の王 2 アイブロウ上手くいったらそれだけでいい日認定したい明日は月曜 3 お化粧で隠れるものを数えてるわたしの後ろめたさの数を 4 すっぴんはたぶん最強に弱くて一番星の下…