短歌 全部正解
1 とぼけてる? えっと、あははと笑うきみ なんだやっぱりとぼけてんじゃん 2 痒みとは時に痛みよりもつらい手の届かないものほどきれい 3 思い込むとてもかわいい私だし選んだものは全部正解 4 ときめきを返せと吐けば丁寧…
1 とぼけてる? えっと、あははと笑うきみ なんだやっぱりとぼけてんじゃん 2 痒みとは時に痛みよりもつらい手の届かないものほどきれい 3 思い込むとてもかわいい私だし選んだものは全部正解 4 ときめきを返せと吐けば丁寧…
1 おかあさん貴女は星をくれたひと光だすのに許可は要らない 2 転調しもう戻らないポップスのアウトロだけが信頼できた 3 美しくとうもろこしを食べるにはそういう顔をしなきゃならない 4 よわいひと高いスーツに靴を履き錆び…
1 何度でもふたりの日々は色褪せるだから花屋の近くに暮らす 2 意味のないものではなくて人間が意味を解せないだけの糸くず 3 無意味だと無価値とされるそれが罠だれが値札をつけたか 燃やせ 4 湯上がりに風を感じるリビング…
1 車両内全員がスマホを見ていて突然きみに会いたくなった 2 あの月が落ちてくるから大丈夫 今さら謝罪なんて要らない 3 花束のなかで最初に枯れるのが一番好きな花なのは何故 4 愛工大名電に似たアレなんだっけほらその昔使…
1 ボーカルは私がやるよ風は吹け青葉を揺らしざわめきをくれ 2 学はあるでも品がない金はある 「優等生」を辞書で引いたら 3 ストローで吸いきれなくて諦めた恋もあったと今は笑える 4 生きる意味なんて要らない茶がうまい風…
「ソイチャイティーラテのホットを頼みたかったのです」 僕の彼女は、落ち込んだ様子を見せながらもチャイティーラテのアイスをストローで勢いよくすすった。4月にしてはやけに肌寒い日。そろそろ桜も散りはじめだが、「散り際の花も趣…
1 春なのにいや春だから怖くなるきみの鼓動が優しすぎると 2 波風を立てない範囲で暴れてたあの子もあの子も四角いあたま 3 誰よりもきみが好きだと伝えてもきみは誰よりきみが好き ああ 4 散ってゆく桜は好きだそのうちにふ…
1 あの鳩も夢を見ている飛べるはず飛べるはずって叶わぬ夢を 2 親指の爪に灯った三日月を噛んでふくめてきみを見上げる 3 未来から来たと言い張るおじさんが駅のホームで鳩に追われる 4 それで今あなたは飯を食えている私の傷…
1 からっぽの鳥かごに手を突っ込んで「いない」とこぼすきみの黒い目 2 微笑みに西陽がさして浮き上がる君の本性をきみは知らない 3 花のした唯一無二になりたいと願えばざあとさざめく彩度 4 水槽をずっと見ているきみの目が…
1 セオリーやテンプレートが怖くなるセロリが好きでなんだかごめん 2 反論をするよりセロリ噛みながら視線を逃がすサクサクサクサ 3 理解者を自称する者にご用心 空は誰にも支配されない 4 曇天が人を不安にさせるのは可能性…