寒いより寂しいが勝っているとまだ貴方には伝えられない
強がりは積もれど雪にならなくて遠くで白が手を振っている
背中から羽が生えても安心だ 君が残らず毟ってくれる
いま君が隣で風邪をひいていることが実は嬉しいなんて内緒だ
クリスマスソングまみれの街に落つ天使はマッチに希望を灯す
錆びついた路傍の鍵に冬を見る 君は確かにここにいたのに
冷え切ったトーストにのせたママレードの気持ちになり謝って
受け取ったものがあまりに多すぎてしばらく歩けそうにない冬
見抜けない嘘は冬のはじまりと教えてくれた嘘つきが好き
濡れたシャツが乾くまでの辛抱だ 世の取り沙汰も七十五日