こころに血管が通っていたら
私のそれはきっと
太く短くあり
それでいて伸縮性に富み
時折ぐるんとうねっては
ずどんずどんと感情を吐き出し
ぶるると震えることでしょう
寒くて震えるわけではなく
悲しくて震えるわけではなく
孤独に震えるわけでもなく
ただただ私がいま生きている
その証としてやかましく
ぶるると震えることでしょう
こころに血管なんて通ってなくて
良かった
もしもそんなものが通っていたら
私のそれは
はち切れ傷つきズタズタにされて
可哀想に!
と憐れみを向けられただろうから
こころに血管が通っていたらと考える
心臓がチクリとするからすぐにやめる
ピンク色のそれを想像してみてはすぐ
気持ち悪くなってを繰り返してしまう
虚しくなるとぴたりと泣きやみ
寂しくなるとひとりと気づいて
細く長く続く私の人生はつまり
臆病な猫のおでこにも満たない
いっそヒステリックに束縛をば
さぁダンス、ダンス、ダンス!
ほら
ちぎれた
誰ですか
勝手に
私のこころに血管を通したのは