夏の終わりと君のエコーが
重なったときに蝉は逝く
猫はいそいそ秋支度
落ち葉の衣を探してる
澄まし顔した少女が
君のくしゃみに驚いた
マリー、僕は無条件に悲しくなる
嘘をついたね
また一つ
嘘をついたね
とびきり優しく
途絶えた物語は絶縁体の盛夏に
青い瓶をまっ逆さまにして
夏の残滓を残らず零す
マリー、冬までには戻っておいで
僕は待っているから
何も読まないで
僕は知っているから
曖昧な君との境界線を
夏の終わりと君の寝息が
交差したときに誰が逝くのか
知らないけれど悲しくなるのは
マリー、君の嘘がまだ許せないから