透明な絶望に色を与えるよりも
既に血が赤いその理由を考える
幻と仲のいいあなたの抱く傷は
私には癒すことができないけど
透明な感情に意味をつけるより
一緒にいることを月並みだけど
運命とか決まりと呼んでみたい
お互いの過ちを赦しあうことも
泣きそうな顔で己を殺すあなた
泣きながら月に向かって歌う私
もう笑う準備はできただろうか
風ばかりごおごおと流れている
透明な善意に怯える日々もあり
あなたの優しさがヒリヒリ痛い
そんな日に淡白い雪は降り注ぐ
ふたりの役割はそれを汚すこと
(下弦の月が、先に笑ったね)
もう何にも演じなくていいのだ
踊らなくていい謝らなくていい
私はつまびらかに理解している
あなたが今まで何を葬ったかを
あなたは街で普通の仮面をつけ
透明な絶望・感情・善意或いは
血まみれの撹拌機を燃やすのが
課せられた使命だと信じている
陽のあたる場所にはいられない
透明なふたりでいられなくなる
それだけが怖くて震えていたね
そんなあなたを私は望んでいた
撹拌機のガラスに映る顔と顔が
ホワイトアウトしていく季節に
血が赤いのは色彩が映えるため
いえふたりとも寂しいからです