雨はまだ降っていない
街の話だけれど
木枯らしのエチュードで
枯葉たちが踊っている
雨はまだ降ってくれない
心の話だけれど
涙を流せなくなってから
道化がずっと笑ってる
心を開けと人は言うけれども
開いたら開いたで傷つくから
閉じたままでいいんだよぅと
呟いたきみのまぶたの裏には
いつだって真っ赤な虹がある
僕に向かってそれを架けてほしい
その痛みに震えている傷を今すぐ
どうかこの僕に分け与えてほしい
冬が寒いのには理由があって
きみが残酷になれない日には
その必要がないということさ
温めるための言葉だけを
懐に集めて歌ってごらん
否が応でも優しくなれる
優しさの隣にはいつだって
強さが並んでいるのだろう
冬が歌になるのならきっと
旋律はどこまでも優しくて
きみもきっと泣けるだろう
心の中に棲みついた
道化ごときみを愛す
無様で不器用だけど
儘の僕が抱きしめる
それを許してほしい
心を開かない理由が積まれても
僕がそれをめちゃくちゃにする
人が飾らない己に愛を欲すると
間違いなくそこには痛みが伴う
痛みは愛の萌芽だと
知ったからこそ僕は
傷つけてでも君を!
閉じた心の蓋を
こじ開けてでも
僕は君を愛そう
真っ赤な虹が二人にかかれば
それを一緒に見上げられるし
冬が寒い理由も血が赤い訳も
理解することができるだろう
きみと僕の明日は
何が起きようとも
紅涙確率100%だ