我が家にテレビがやってきた

このところ、あまりに慢性的に思考が鈍ってて、今朝は職場に遅れそうになったので、焦って電車を降りてから乗り換えの新宿駅構内でなんとか空間を確保し(東京の朝のえげつないラッシュ時に、それがいかに難しいかを味わいました)「少し遅れる」旨を伝えたくてメールを送ったのですが、以下がその文面です。間違い探ししてみて。

「おはようございます、笹塚だと思います。すみません、少し遅れます。事務所にはあと30分くらいで到着できると思います。」

→先輩から、すぐに優しいツッコミ付きの返信が。
「笹ちゃん、大丈夫!(^^)どんな時も笹ちゃんは笹ちゃんだー、自信もってけ!」

おおぉ……たぶんただボーっとしてて打ち間違えた凡ミスなんですが、あ、ほらでもたまにリアルに分裂するし(こらこら)、それはそれであながち間違ってはないと……。

いや……純粋に恥ずかしいやつだこれ。ふはは。こういう時は、笑ってしまえばいいのよ!まったく小っ恥ずかしいわね、ホホホホ! うわーん(こっちが本体)

さて、そんな相変わらずゴキゲンな私ではありますが、「我が家にサンタがやってきた」的でもあり、「もはや戦後ではない」と喧伝された1950年代頃の日本人の憧れだったという「三種の神器」の一つ的でもあり、何よりも「あなたのお宅には今までテレビが無かったの?」という素朴な疑問をも彷彿とさせる、なんともキャッチーなnote記事のタイトルをつけることに成功した気がしています。noteのタイトルは、ひと通り本文が書き終わってから後付けでつけるパターンがほとんどなのですが、今日は書きたいことがもう決まっているので(つまりいつもは「どこに着地するんだろう……」とドキドキ思いながら書いております)、こうなりました。

我が家にも一応、これまでもテレビはありました。この前の日曜日の午前中までは、元気にあれこれ映してくれていました。ですが、別れは突然やってきます。なんとなくスペシャ(だったかな)でいろいろなアーティストのMVを流し見していたのですけれど、画面が急に、「ガーッ」と呻き声を上げ、砂嵐がちらちら混ざるようになったんですね。「なるほど、最近の若いもんのMVはなかなかに凝ってて尖った表現をするのー」と、それがテレビの断末魔だと気づかずにMVの演出だと思い込んで、しばらく何気なく放置していたのですが、

「ニュースでも観るか」

と夫がチャンネルを変えると、そこには本来いるはずの、私たちにいつも朗らかにニュースを伝えてくれるキャスターの姿はなく。キャスターの顔があるはずのあたりに、不穏な砂嵐がべったりと貼りついていました。二人して

「おおおおっ!?」

となり。そこでようやく「故障」という現実を突きつけられました。

思えば、我が家で長らく頑張ってくれたテレビは、夫が独身時代から使っていた「アナログテレビ」でした。数年前に放送波がデジタル化された時に、もう使えないのかなーと思っていたところへ、実父がその道のプロ(デジタル関係の「笹塚式ナントカ」を後世に残すべく、パーキンソン病と闘いながら現在も絶賛アウトプット中)だったことから、こんなアドバイスをもらいました。

「デジアナ変換をすればいいよ」。

なんだそれは。たぶん「デジタル」と「アナログ」のハーフ的なやつだとは思うんだけど、娘にはカケラほどの知識もなかったので(ごめんよ父ちゃん)、とりあえずその指示どおり、「デジアナ変換」をして、その時は新しいテレビは買わずに済みました。

それから数年。そう思えば、よく頑張ってくれた……! ありがとね、うんうん。

そんなわけで、午後から自宅近くの家電量販店へ行きました。ずいぶん前に「家電リサイクル法」が施行されていたというのを知らなかった私は、「え、500円とか粗大ゴミシール買えば引き取ってくれるんじゃないの?」と発言したところ、夫があきれて、

「法律や制度は君の得意分野でしょうが……そこにくらくて、どーするんだい」。

なかなかに痛烈な一言です。違うんです私は自分の仕事に関係の強い法制度などには食いつきますが(というか、否が応でも食らいつかざるを得ない)、まぁ別にーと感じたらまったく入ってこないのです。アタマのスペックもたかが知れてるし、無理もできないし。。

まあとにかく、家電リサイクル法に基づいて、数千円が消えていきました。無学な私にとっては、それは想定外の出費だったわけです。だから、テレビ本体代に「プラス3,500円で取り付けに伺いますよ」と家電量販店の店員さんに笑顔で言われても、私はそれを丁重にお断りしました。夫は困った顔をしていましたが。

「取り付け、頑張ってトライしよう。自力で取り付けたほうが、愛着が湧く気がするんだ」

と、今思い返せばそれが後悔のプロローグとなる展開を私自身が、この時選択していたのです。

帰宅して、さっそく取り付け開始!

と思ったのですが、はて、どの線がどこに繋がっているんだ? 説明書を読んでもよくわからなくて、説明動画を探してyoutubeをさまよっても見当たらなくて。

ひとつその時にわかった(と思い込んでいた)ことは、VGA端子をHDMI端子に変換して接続しなければならなかったことです。なるほど、その変換プラグがあれば大丈夫なのね!

でも、同じ家電量販店に変換プラグを買いに行くのは、私のちっっっぽけなプライドが許さず、「だってさ……同じ店に行ったら、『あーほら、やっぱあの人たち自力じゃダメだったんじゃん』って思われちゃうよ……」と。へへ、くだらねぇ。

で、夫に無理を言って駅前まで繰り出し、別の家電量販店へ。そこでなんとか変換プラグをゲットしたのですが、せっかく駅前まで来たからやれコーヒーを飲みたいだの、100円ショップに寄りたいだの、私があーだこーだ言いだしたので、どんどん「新・テレビへの道」は遠のいていきました。

結局、家に帰ってきたらもう夕飯の時間で、じゃあ食べ終わってからでいいよねー、と。どこまでものんびりまったりモードでした。日曜日だったし。で、ようやく食べ終わってから、いざ変換プラグ様のお出ましだーとばかり、VGA端子に接続しようとしたのですが、

そもそもそれは、VGA端子じゃなかったんです。

「夢だけど、夢じゃなかった!」(サツキとメイ)ばりに、「VGA端子クリソツだけど、VGA端子じゃなかった!」と二人して悲鳴じみた声を上げ。

潔く敗北を認めた私たちは、契約している通信サービス会社に電話を試みました。どうしても、テレビの購元の家電量販店には言い出せなくて、なんだか喧嘩した恋人に自分から謝れない高校生みたいだなと思いつつ。ですが、私が「コーヒーわぁい」とか「100均ひゃっほー」とか調子に乗っている間に、電話受付時間が過ぎてしまっていたのです。

ああああ。後悔先に立たずとはまさにこのことよ。

で、月曜日を待って電話をしたら、「じゃあ土曜日に伺いますねー」。

な……。

一週間、待てってか……!

ということで、現在、我が家にはテレビは存在しますが映りません。でもなんだろう、「映らないテレビと一週間暮らす」のも、なかなかいいもんです。つい出勤前に「天気予報を見なきゃ!」とリモコンに手を伸ばして、「あ、映らないんだった☆(テヘペロ)」というのを毎日繰り返していて、たぶん明日の朝もやると思うんですが(学習能力低!)、情報があまり入ってこないので、もろもろに疎くなりはしますが、そのぶん、食事の後とかの二人の会話時間が増えました。

もともとそんなにテレビは観ないほうでしたが、困っていることといえば、唯一楽しみに観ている「なつぞら」が追えなくなったことです。いつもは朝に録画したのを夕飯の後に観ていたのですが、「土曜日の午前中にその週の分を一挙放送するのに間に合うかどうか」を確認したところ、業者さんが来るのは15時半過ぎとのこと。詰んだ……。

日曜日に20分くらいでやってる総集編みたいなやつで我慢するしかなさそうです涙。うっかりニュースアプリとか開くとネタバレ記事が出てきてしまうので、頑張って読まないようにはしているんですが、事情を話した職場の後輩が、嬉々として、

「いやー、まさか夕見子が、いやーまさかねー、あんなことになるとは……えっとですねー」

とか言うので「わー! やめてー!」と耳を塞ぐ日々です。平和だなちくしょう。早く続きが観たいですます。個人的には夕見子ちゃん推しなんですよね。

「映らないテレビ」に価値を見出すのも、また一興かな、なんて思ってみたり、ね。ふふふ、とりあえず今日は、もう眠ります。おやすみなさい。