短歌 花火

1
新しいファミマが街に増えるたび居場所をひとつなくすのは誰

2
容疑者と呼ばれた夏も青空で入道雲が威張っていたな

3
斎場の灯りがついた夜にだけ許しあうこと許してほしい

4
ビブラートできない鳥は殺してもいいんだよってママが言ってた

5
手放した瞬間輝きを生む君のこと どこから食べてあげようかしら

6
ウェディングドレスについた一点の汚いシミが私の残滓

7
「幸せを探しています」死因だけ求められても困っちゃうから

8
嘘つきは満月の夜に逝くべきであると信じてあなたを絞めた

9
私にも虹をかけてよ平等が正しいことだと言い張るのなら

10
花火には終わりがあるね 美しい終わりがあるね 僕と違って