リジェクション

怒りは今ここに
血まみれのシクラメンとともに
鮮やかに咲いている

真冬のそっけない空に
赤赤と揺れる
恥知らずなシクラメン!

怒りは虚しさと悲しみと手を繋いでおり、同時に去来するが故に非常に厄介である。

身勝手さは刃か、いや違う、
先端の丸い優しさのほうが、
ずっと切れ味があるんだよ、
ありがとうこれからもよろしくねってそれ嘘だったんだねやっぱりね信じたほうに非があるんだよねあなたってそういう人だもんね。

虚しさは風を運ぶ
からっ風がひゅるりと
胸元を直撃する

悲しみはしかし涙の理由にはならない!
流したところでロイシン=エンケファリンが忘れ形見を引き裂くだけだ

ハートと言葉だけで繋がっていた「つもり」だったよ。馬鹿「だった」って過去形にするけど、今でもまだこの胸には血まみれのシクラメンが群生している、朽ちた黒蝶たちが蜜を求めてやってくる、それを観察するのは腕白な小学生、それを叱りつけるのは他でもないあなた、私の胸を覗き込んで(可哀想)って、

あ。

天国ってここのことだったんだね。