短歌 目

1
生真面目は褒め言葉ではありません そろそろ上着を脱いだならどう

2
目に映るすべて愛してみたかった かつてあなたがそうしたように

3
嘘をつくとき両の目がよるという癖に気づいた私はえらい

4
目薬を五階からさすチャレンジはギネス記録になるのでしょうか

5
まなざしは雨が降るとき柔らかく春の予感を呼び覚ましてく

6
古本屋で再会した「書を捨てよ、町へ出よう」を凝視する夜

7
前髪が目にかかってる 通り雨 季節はずれの遠雷に寄せ

8
ヤバくない? 痛くない?マジウザくない? だけで成り立つ会話のつらみ

9
暗闇の中で唯一光ってた君の目ん玉まるでビードロ

10
目と目と目 あれおかしいな星々がぎょろりとこちらをご高覧中