短歌 煌めきの赤

1
満たされるつもりなどない 愛情に底があるとは思えないから

2
私たち重ねた日々が鮮やかに広がってゆく影が愛しい

3
ゆく季節に柔らかなサヨナラを真白いベッドの上で告げるの

4
銀河系の隅っこでまだ泣いてるの 胸を裂くならフレアを想え

5
リトマス紙みたいにわかりやすいひと 嘘がつけないところも一緒

6
情熱を薔薇に託した歌の所為 私は耳を塞ぎ続ける

7
僕らみな太陽の子と笑えればどこにもパンダがいなくたって

8
「この処理に時間がかかります」とある ならば今宵は踊り明かそう

9
どこまでも線路が続くとしたなら特急列車で君へ突っ込む

10
人びとが好奇心にて仰ぎ見る真紅色した神の履歴書