短歌 やわはだ

1
さよならを置き去りにした二人して永遠求めツツジを啜る

2
幼な子の黒目に問うてみるがいい ちゃんねるを見る背中はどうか

3
やわ肌についた傷ごとよろしくね あなたの爪が弾く思い出

4
省みることのできない阿呆烏 正義の皮を被った行列

5
今日未明行方不明になりました 確かに君を好いていたのに

6
イヤホンを分けあう部屋の片隅でおどけほつれてひとつの影に

7
嫌味など上手くなっても意味がない 生きる旨味は猫が知ってる

8
歌声で愛を仕立てる人がいる この世はまだきっと大丈夫だと

9
トンカツのカロリーを知る瞬間は告白前にとても似ている

10
もしかして花が咲くのは君のせい 私の気持ちに水を与えた