短歌 灰

1
我もまた少女だったというひとの思い出に載る灰のアルバム

2
悲しいと爪を噛む癖を叱ってくれたあなたの影を踏んでた

3
その人が絶対であり神であり愚者であったと気づくのが恋

4
大切を大切にして大切に抱えていたらグレーになった

5
もう一つ穴を穿った右耳に堕ちた彗星を下げて生きろ

6
とりあえず死なないでおく連続で今日の今日まで生きてきました

7
輝きを強制されてその辺のホコリを集めかぶった青春

8
朝ごはんに出された皿の卵さえサニーサイドが煌めいてる

9
どうせなら笑って受け取ってください 天国行きの片道切符

10
彼岸より手を振る人の優しさに涙するほど虚しいみたい