短歌 ひとり

1
言い訳を考えてたら朝が来てああこれだなと太陽を蹴る

2
光あるところの影が私です 必要悪と呼んでください

3
パソコンで「じしょう」と打つと「自らを笑う」と化ける我のスペック

4
事件簿に載らない私の喜劇にもちろん千秋楽なんてない

5
人間が美しいとは意外です 悲しいだけかと思ってました

6
真実を告げぬニュースキャスターの顔にナイフとフォークをあてる

7
苛立ちが朝焼けを映えさせるから寝不足のままインスタ見てる

8
月がなぜ地球から距離を置くのか なんとなくその気持ちがわかる

9
旅立つと決めた私を引き留める者がただの一人もいない優越

10
ひまわりの終わりは無残 あまりにも光を求めすぎた罰だろ