短歌 妖精

1
番号の中に私の誕生日が隠れてるからスマホごと好き 

2
「嫌いだ」と口に出せれば大丈夫 その素直さで生きのびてゆけ 

3
石ころは磨けば光るわけじゃない 輝きなんてただの傷あと 

4
行列のできる店です みんなして腹を空かせて羊を屠る 

5
もう名前が変わったらしい母校から物故者として封書が届く 

6
負いたての傷がこちらをにらみつけ俺のせいにはしてくれるなと 

7
ブルドッグ ソースだったら見たことがありますあれは渋い妖精 

8
正確さはもはやAIの勝ちだからそのくだらなさを笑い飛ばす 

9
駆け込んで乗った列車の行き先が天国だった よくある話 

10
グッドバイ二回唱えてさよならは今強烈なハローに化ける