短歌 悲観

1
こめかみがなんか痛むと思ったら背後で君が微笑んでいた 

2
低気圧のせいにしようかなにもかも しばらく歩き出せそうにない 

3
黒猫が忌み嫌われているように私が居ると薔薇も枯れます 

4
苦しみをほどくことだけ考えて信じた先がバファリンだとは 

5
楽しみをとっておく派で生きてきて最期に何を感じるだろう 

6
電極に繋がれている神経はたぶん私のものじゃないから 

7
歌よりも歌みたいだね君のそのようやく続く浅い呼吸は 

8
泥まみれ恥まみれまだ生きている 恥ずかしいねとあなたが笑う 

9
千代紙で鶴を折れても願い事叶えるために千は無理です 

10
前向きに前向きに前だけを見て笑っていたらすべて失くした