短歌 ひみつ

1
君の横空いているなら1名で今すぐ予約させてください

2
言い訳を探してるうち春が来て夏去り秋に枯れ果てるひと

3
折る指も足りなくなって心臓を差し出しました きみに逢いたい

4
髪の毛も爪も裸もきみのため気を衒わずに待っていたのに

5
三日月が夜空の孤独を訴える きみの横顔貫きながら

6
ねころんだねこのとなりのねこがねこねころんでそのとなりにこねこ

7
血が赤い理由はひとつ 太陽の光ですぐに褪せてゆくため

8
少年の憧れ続けた影踏みを笑う行列はもう破裂せよ

9
「あなたより不幸な人を見つけたの」だから私はあなたが嫌い

10
歳をとることもそんなに悪くない 秘密と同じ匂いになれる