短歌 きみ


寝坊助のきみのほっぺをつねるとき我は稀代の悪者となる


もしきみが病める朝にはアラームを止めて私もそっと閉ざそう


ワイシャツの襟を直してあげるとき きみは黙ってペンギンになる


三日月を美味しそうだというきみのとなりでバターになってるわたし


濡れるならおんなじ雨にふられたい 風が吹いたらいうことはない


「ひかりって寂しいでしょう 求められるのに見えない」からきみが好き


幸せなことしかしらないというのは不幸なことと教えてくれた


きっときみ苛つくでしょうだからもう「愛して」じゃなく「助けて」という

9
トマトマトひっくり返してトマトマト 永遠を知るきみは変態

10
きみに宛てLINE打つ手の薬指はそろそろ束縛されるべき